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贈与税の配偶者控除の特例

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2024年3月1日

1 贈与税の配偶者控除の特例について

夫婦間の贈与に関して、特例があると聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

結婚してからの期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、最高2000万円までであれば税金がかからないという特例があります。

これらは、「贈与税の配偶者控除の特例」や「オシドリ夫婦の贈与の特例」と呼ばれています。

そもそも贈与税は、年間110万円までであれば課税されませんので、これに加えて贈与税の配偶者控除の特例を使った場合には、2110万円までの贈与であれば、贈与税がかからなくなります。

たとえば、夫が妻に2500万円の自宅を贈与するようなケースで、この贈与税の配偶者控除の特例を使った場合、2500万円と2110万円の差額である390万円のみに贈与税がかかることになります。

仮に、贈与税の配偶者控除の特例を使わなかった場合、2500万円の自宅を贈与すると、贈与税は945万円となります。

他方、贈与税の配偶者控除の特例を使った場合、贈与税は32万円のみとなり、特例を使えなかった場合に比べ、贈与税を非常に抑えることができます。

このように、贈与税の配偶者控除の特例を使うことにより、贈与税を抑えることが可能となります。

贈与税の配偶者控除の特例を使うための条件等は、国税庁のホームページからご確認いただけます。

参考リンク:国税庁・夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

2 贈与税の配偶者控除の特例を使う際の注意点

贈与税の配偶者控除の特例を使う場合の注意点として、この特例を使うためには、たとえ贈与税がかからない場合であっても、申告を行う必要があるということが挙げられます。

万が一、申告をしなかった場合は、特例を使うことができず、特例適用前の贈与税を納める必要があります。

そのため、必ず申告を行ってください。

3 贈与税の配偶者控除の特例を使うデメリット

贈与税配偶者控除の特例を使った場合でも、節税にならず、反対に税金等の費用が高くなってしまうケースがあります。

そもそもこの特例は、居住用不動産等について、2000万円までの贈与であれば、贈与税がかからないというものであり、登録免許税や不動産取得税といった、不動産を贈与する際にかかる他の税金は、通常通りかかります。

たとえば、2000万円の自宅を贈与する場合、確かに2000万円の範囲内であるため贈与税はかかりませんが、登録免許税や不動産取得税として、合計約70万円程度かかることになります。

また、不動産の名義変更を専門家に依頼した場合、専門家への報酬も別途必要となり、結果的に高額になる可能性もあります。

そのため、贈与税の配偶者控除の特例を使うことを検討されている方は、一度、税理士に相談し、特例を使っても問題がないかを確認することをおすすめします。

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