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贈与税で非課税になる特例

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2024年9月3日

1 おしどり夫婦の控除の特例

おしどり夫婦の控除の特例は、文字どおり贈与税の配偶者控除のことです。

具体的には、婚姻期間が20年以上経過している夫婦間で、居住用不動産又はそれを取得するために必要な資金を贈与した場合、要件を満たしていると、2000万円まで贈与税がかからないというものです。

参考リンク:国税庁・夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

2 住宅取得資金の贈与の特例

両親・祖父母から、住宅を購入するための資金を贈与された場合には、一定額まで贈与税が非課税になる特例があります。

非課税となる金額は、購入する不動産が断熱等性能等級や耐震等級などが一定以上のいわゆる省エネ等住宅か、それを満たしていない住宅なのかによって変わります。

省エネ等住宅の方が、非課税となる金額は大きくなっています。

ただ、この特例は、年々、非課税となる金額が少なくなっています。

省エネ等住宅の場合、平成31年4月1日~令和2年3月31日までの贈与であれば、3000万円もの贈与が非課税となっていましたが、令和4年1月1日から令和6年12月31日までの贈与については1000万円までしか非課税となりません。

元々は、令和5年12月31日までの期限付でしたが、令和8年12月31日まで延長されました。

ただ、延長に伴い要件が厳しくなっています。

1000万円の非課税を受けるためには、令和5年12月31日までは、断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費等級4以上であることが求められていましたが、令和8年12月31日に延長された際に、断熱性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上に変更されました。

つまり、より省エネ住宅として高い性能の家を建てるための資金でなければ、この特例の恩恵を受けることができなくなっています。

断熱性能等級5以上とは、いわゆるZEH基準ですので、建築される前に、ハウスメーカーに確認されることをおすすめします。

なお、この要件を満たしていない場合は、非課税の上限額は500万円です。

3 教育資金の贈与の特例

両親・祖父母から教育資金を目的とした贈与を受けた場合は、一定金額まで非課税になる特例です。

ただ、この特例も贈与を受ける側の所得が一定金額以上の場合は使えないなど、段々と利用しづらくなる改正がなされています。

4 結婚資金の贈与の特例

両親・祖父母から結婚資金を目的とした贈与を受けた場合は、一定金額まで非課税となる特例です。

この特例では、1000万円までが非課税の対象となります。

参考リンク:国税庁・直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

5 相続時精算課税制度

これは、原則として60歳以上の父母又は祖父母などから、18歳以上(令和4年3月31日以前は20歳以上)の子又は孫などに対し、財産を贈与した場合に選択できます。

この制度を利用すると、2500万円まで受贈者は贈与税を納めずに贈与を受けることができます。

ただ、この制度は、贈与を受けた年には贈与税はかかりませんが、贈与者が亡くなったときに相続税の課税がされることにより精算がなされる制度ですので、税金が一切かからないということではない点にご注意ください。

6 贈与をお考えの方は税理士へご相談ください

以上のように、贈与税で非課税となる特例には様々なものがあります。

しかし、適用要件が複雑であったり、法改正によって非課税となる金額や期限が変わることも多いです。

そのため、贈与で思わぬ失敗をしてしまわないよう、贈与をお考えの方は税理士に一度ご相談されることをおすすめします。

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